僕が大切にしてきた、たったひとつのこと

僕は不器用だ

昔っから
なんとなく上手くいかないことが多い

小さい頃から足は遅かったし
宝くじも当たったことがない

流行りにのって始めた仮想通貨も
うまくいったことがない

15年続けているサーフィンは
めちゃくちゃ下手だし
目も一重だ

小学2年生の時に
「歯の健康優良児」に選ばれたけど
女の子にモテたこともない

クラブでナンパして
アバンチュールしたこともないし
合コンはいつも1人で帰っていた

アルタ前で気に入ってた女の子に
ビンタされたこともある

報われない。
本当に報われない人生を歩んできた。

今ですら小さな美容室を経営しているけど
成功者と呼べるほどでもない

料理ができない天然ボケの嫁と
天使のように可愛い娘に恵まれ
なんとか小さな幸せの炎を絶やすことなく
ひっそりと、ただひっそりと生きている

大人になる前から
なんとなくわかってた

自分が不器用で
なんにしても要領が悪いこと

そしてあんまり「運」がないことに

だけど
仕事を始めて
やり続けてきたことがある

それは

誰よりも休まないことだ

人が人より秀でる方法は2つしかない

人より濃密な時間を過ごすか
人より時間を使うか

僕は不器用だから
後者を選んだ

20代の時に働いていたサロンでは
雑誌全盛期だったから
早朝から撮影がある日が多かった

僕は休まず必ず撮影を見て参加した
誰のどんな撮影でも必ず参加した

シフト表の自分の休みの日は
マジックで全部消した

見るとムカつくから、上司に
「僕の名前は書かないで欲しい」とお願いした

スタイリストの早朝レッスンには
アシスタントだったけど参加した

参加できなかったけど
隣で見て聞いて
見よう見まねで練習した

大切な友達の結婚式にも
親族の葬式にも行かなかった

どんなに寝不足でも
どんなに二日酔いでも
どんなに辛くても
絶対に、絶対に休まなかった

女の子は抱けなかったし
借金も沢山したけど
めちゃくちゃ仕事したし
めちゃくちゃ遊んだ

時間への自己投資を絶やさなかった

それが役に立ったのかどうかはわからないけど
周りの人よりも早くスタイリストになれたし
沢山撮影の仕事もできたし
他の人では経験できないような時間を過ごせた

人生には必ず

アクセルを全開にしなきゃいけない時期がある

スタイリストとしての旬
経営者としての旬
人として、熟れる時期が必ずある

その時は絶対に
アクセルをベタ踏みしないといけない

がむしゃらに自分の時間もなにもかも
犠牲にしなくちゃいけない時が必ず来る

その時期を見逃すと
人として熟れることはない

休むことは悪いことじゃないよ？

僕は「休まないこと」が自分にできる
1番の自己犠牲だっただけ

今は週休2日が当たり前だし
うちも例外なくその待遇を取り入れてる

けど
僕は思う

自己犠牲すらできない人が
人を幸せにすることは絶対にできない

SNSを見て
指を咥えて人を羨む時間があるのであれば
その指を動かして
お客様に手紙を書いてみたらどうだろう

家に帰って
ダラダラとテレビを見る時間があるのであれば
ちょっとだけヴィッグを切ってみたらどうだろう

休みの日の午前中だけでいい
女性誌を見て
女の子目線の「可愛い」を見てみたらどうだろうか

そういう少しの自己犠牲が
誰かを幸せにして
その幸せが
いつか自分に返ってくるんじゃないかな

僕は少なからず
美容師の仕事はそうじゃなきゃいけないって思ってるよ

嫌でもこの日本では
65歳くらいで定年を迎えるわけで

働くことすら出来なくなるのよ

稼ぎたくても
脚光を浴びたくても
いつか必ず衰えちゃう

それって思ってる以上にあっという間だよ？

その時には
沢山寝ることもできるし
好きなテレビも見れる

ゆっくりするのは
その時でよくないかい？

誰も幸せにできない
自分も幸せにできない
でも自分の時間は欲しいし
お金は欲しい

そんなわがままでうまい話
あるわけねぇだろ

動けなくなる前にさ、
まだまだ若いうちにさ、
がむしゃらになろうよ

後悔しちゃうよ？

よき理解者である大親友が
こんなことを言ってたけど
僕もそう思うね

では

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LINOA 代表 松浦裕哉

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